わたしと鍼灸との出会い

私は、１９６３年に福岡に生まれ、福岡で育ちました。福岡市内の福岡西陵高等学校を卒業後は、銀行に勤めました。銀行員のころは仕事柄、毎日数字とにらめっこで、常にパソコンの画面を見つめるためか、慢性的な肩こり・腰痛・疲れ目に悩まされていました。

ある時、ひどい寝違えを起こし、２〜３週間たっても治りません。整形外科でも特に異常はないと言われ、マッサージに通っても効果はなし。このまま治らなかったら…と思い始めた頃、近所に偶然、鍼灸整骨院を見つけ、なんとなく「ちょっと相談…」くらいの気持ちで入ってみたのです。

事情を聞いた先生は「鍼（ハリ）がいいかもしれないね」とおっしゃいます。「ハリを刺すなんてこわいです！」という私に「痛くないから１本打ってみない？」と先生。試しに手の甲に打ってもらうと本当に痛くありませんでした。ハリが個別包装の使い捨てなところにも安心できたのでそのまま施術してもらったところ、１回目の治療で今までの痛みがウソのように軽くなりました。次の日も念のために施術し、２回でつらかった症状がほぼ元通りに。当時の私にはまだ何がどうなったのかは全くわかりませんでしたが、『鍼灸ってすごい！』ということだけはしっかり心に残りました。

もともと、友人や家族にマッサージをして喜んでもらうのは好きだったのですが、このときから、先生のように鍼灸で人を楽にすることができたら…と考えはじめました。実際に鍼灸師を目指すのは、もう少しあとになるのですが…

今、鍼灸の世界の端にたどり着いた私は、日々その奥の深さを感じながらさらに努力を重ねています。そしてこの鍼灸のすばらしさを少しでも知ってもらえるようこれからも精進していこうと考えています。